女優Ｏ･Ｎ(本名Ｔ･Ｓ)が生の舞台で脱がされ下着姿に！

[14]アメリカ本国では｢待った｣がかかっていた

12/11 09:02

が、実を言うとこの原著書の元版は、アメリカ本国での再演の際にクレームが付き、以後は改訂版で上演されていたのだった。

クレームの理由は、
最後の場面では殺害した三人のやり取りの中で真相が明らかになっていくのに対して
（説明台詞ではなく、おのおのが心情を吐露していく過程で分からせていくところに原作者（と日本語版では翻訳家）の力量を感じさせるのだが）、
それが脱衣シーンと重なるために、観客の集中力が分散してしまう、というのだ。
（実際には、天真爛漫でありながら裸にされるのを否わない若手女優、といったキャスティングの難しさもあったのだろう）

改訂版では脱衣シーンはすべてカットされ、若い女は着衣のまま運び出されて、衣服の回収はその行く先で行われるのだと暗示されるに留まっている。
同時に幕の切れ目も、閉じ込められた若い女が扉を叩き出すところではなく、その前段階、扉に錠が下ろされても若い女がまだ気づかずにいるところまで遡らせる形に変更され、殺害場所もソファーやベッドではなく床の上になっている。

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[13]原作どおりなら彼女はさらにその先まで脱がされるはずだった!?

12/11 04:45

それゆえ脱衣シーンはもっと徹底したもので、原著書の元版では、

（｢若い女｣はベッドの上で俯伏せ状態）

THE YOUNG MAN Taking off the GIRL's slip.
若い男は若い女のスリップを脱がせていく。

YOUNG MAN: These her panties？
WOMAN: Yes.
若い男「パンティはこの子のなの？」
女「そうよ」

THE YOUNG MAN rolls the GIRL's stockings down her legs.
若い男は若い女の両方のストッキングを足先へ丸めながらさげ下ろしていく。

THE YOUNG MAN unhooks the GIRL's bra and bends one of her arms from its strap.
若い男は若い女のブラジャーのホックを外し、片方の腕を肩紐から外す。

THE YOUNG MAN finishes taking off the GIRL's bra, rasing her middle to pull it from under her.
若い男は若い女の胴を持ち上げながら体の下からブラジャーを引き出して、脱がし終える。

と続く。（ヴェロニカの物だとして渡した衣服を回収するのが目的なのだから、これで当然なのだ）
原作通り完全に演じられていれば、スーザン＝小川範子は照明の明るいベッドの上で、スリップを脱がされ、ガーターのベルトを外されたストッキングを丸め取られた後、ブラジャーも剥ぎ取られて、パンティ（とガーターベルト）だけの姿にされ、
こちらも照明の明るい舞台中央の最前まで抱え上げられて来るはずだったことになる。
（実際、本国版の初演ではこの形で演じられた）

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[12]

12/11 04:14

実は原作者のアイラ・レヴィンは本作品の執筆時、離婚に伴う心痛を抱えており、
当時の｢ウーマン・リブ｣＝｢女性解放運動｣に対する懐疑と私怨とがこの作品には盛り込まれている。
｢解放された女｣を無慈悲な形で殺し、｢男に従属させる道具｣を身につさせられた姿を晒す、
作品の意図がそうなったのは、そのためだ。

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[11]なぜ彼女は衣服を脱がされるのか

12/11 03:41

作中時が1973年であることと >>3、着替えの際に渡された衣服 >>9 がポイント。
当時は｢ウーマンリブ｣＝｢女性解放運動｣の真っ盛りで、
作中で用いられたブラジャー、スリップ、ガーターベルトなどは、
当時の運動家たちの主張では「女を男に従属させる道具」だと見なされていた。
（着替えの際のスーザンの科白に「ブラジャー？今時誰もしませんよ」というのがある）
そこで｢自立した女｣である（つもりの）｢若い女｣スーザンにそういった類いの下着を身につけさせて、
その｢形から入る｣＝｢形ばかりの｣自立心が打ち砕かれる様を風刺的が描くのがテーマなのだ。

｢若い女｣が最後にそれらの衣類を剥ぎ取られるのは、
作中人物たちにとっては、次なる犠牲者にまたそれらを用いるためだが、
観客たちに対しては、｢若い女｣の言動や性格からして、実はこっそりとそれらの下着を身につけずにいたのではないか、
といった疑念（>>これが着替えシーンを観客に見せなかった訳 >>9）を晴らしたうえで、
｢若い女｣が最後には三人に屈してしまうのは、それらの下着類が「女を従属させる道具」だなどという
（誤った）意識に支配されてしまったからだということを、はっきりと目に見えるように示す｢改め｣ためでもある。

だからこそスーザン＝小川範子はきちんとスリップ、ブラジャー、ガーターベルトを身につけた姿をしっかりと観客に見てもらうことを要求されたのだった。

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[10]どのように彼女は脱がされていったのか

12/10 11:08

身代わりを務めた少女の代わりに殺されて衣裳を剥がれるシーン
客席の側に傾いた、いわゆる八百屋舞台の上手＝右側のソファーで殺された後、下手＝左側にあるベッドへと運ばれる。
殺した人間たちの科白を挟んでのシーンなので、それぞれの動作のあいだにはかなりの間があり、その分だけ時間をかけて脱がされていく。

ベッドへと運ばれて俯伏せに寝かされ、ベルトを外されて、ワンピースの背中のファスナーをゆっくりと下ろされる。（科白と間）
俯伏せの体勢のまま、ワンピースの背を左右それぞれにに大きく拡げられ、下着の肩紐から剥き出しの背中までが露わにされる。（科白と間）
ファスナーを一番下まで引き下ろされ、体を転がされて仰向けに寝かされる。（科白と間）
上体を持ち上げられて片方ずつ腕を袖から抜き出され、再びベッドに寝かされる。（科白と間）
ワンピースの裾を持たれてゆっくりと下へ引かれて脱がされていき、腰を持ち上げられてワンピースを一気に引き抜かれ、下着だけの姿に。
スリップが薄手なので、（これまでのシーンでもそうだったが）ブラジャー、パンティ、ガーターベルトのラインがくっきりと浮き上がっている。（科白と間）
ベッドから抱き起こされて、お姫様だっこの形で舞台の中央へ。スリップの裾が乱れないよう、端を引っ張りながら持ち上げるのだが、結果としてスリップが体にぴったりと張りつくことに。（科白と間）
最後はそこから肩に担ぎ上げられて、舞台正面のドアから退場。

この間、約10分。ベッドを照らす明るい照明のもとで観客の目に晒され続ける。

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